中村梅雀を形作った「劇団前進座」と歌舞伎の血脈―祖父・翫右衛門から父・梅之助へ受け継がれた名優の遺伝子【2026年最新解説】
中村梅雀の魅力を語る上で外せないのが、プロ級の腕前を持つベーシストとしての顔だ。中学生時代にベースと出会い、ジャズ・フュージョンやロックに深く傾倒。ヴィンテージ・ベースのコレクターとしても有名で、その知識と演奏技術は音楽業界のプロからも高く評価されている。
伝統芸能の家系に生まれながら、なぜ洋楽のベースだったのか。そこには「型に捉われず、自分の感性を表現する」という、前進座の遺伝子が変形した形で表れているとも解釈できる。アンサンブルの底支えをする「ベース」という楽器の役割は、名バイプレイヤーとして作品全体を支える彼の演技スタイルとも見事に共鳴している。