中華そばと醤油ラーメンの決定的な違い!出汁と歴史の謎を追う
時計の針を明治時代まで巻き戻してみよう。1910年、東京・浅草で創業した「浅草来々軒」こそが、現代に続くラーメン文化の開拓者とされる。創業者である尾崎貫一が世に送り出した一杯は、当時「支那そば」と呼ばれていた。中国の伝統的な麺製法と、日本の蕎麦文化が出会って生まれた至高のハイブリッドである。
やがて戦後の復興期を経て「中華そば」という呼び名が定着した。当時は鶏ガラや豚骨をベースに、煮干しや昆布など和風の旨味をブレンドしたスープが主流だった。一方、「醤油ラーメン」という言葉が一般化したのは、1960年代以降の高度経済成長期。札幌の味噌や九州の豚骨といった地域ごとのご当地スープが台頭し、味のバリエーションを明確に区別する必要が生じたからだ。