滋賀の丘に宿る英国の魂!ショーンファームの魅力と裏側に迫る
物語の原点は、1995年に公開された短編映画『ウォレスとグルミット 危機一髪』にさかのぼる。天才的なアニメーターであるニック・パークが生み出した一匹の羊ショーンは、わずかな登場シーンでありながら観客の心を鷲づかみにした。その後、名門スタジオのアードマン・アニメーションズが独立したシリーズとして命を吹き込み、世界的なアイコンへと育て上げた。
彼らが愚直なまでに守り続けているのは、1秒間に24コマの微小な変形を職人が手作業で積み重ねるストップモーション・アニメーションの技術だ。指先で練り上げられた粘土の凹凸、わずかな指紋の痕跡。クレイアニメだからこそ生まれる血の通った温もりが、デジタルCG全盛の時代にあっても人々の情緒を揺さぶり続ける。ファームガーデンに足を踏み入れた瞬間に感じる独特の親しみやすさは、この手仕事の哲学が空間全体に染み渡っているからにほかならない。