松重豊が語る食レポの真実!『孤独のグルメ』撮影現場の秘密とは
この作品のもう一つの主役は、間違いなく実在する飲食店だ。ロケ地選びのプロセスは、制作チームによる気の遠くなるような足技によって支えられている。スタッフは事前に何百店もの店を自分の足で巡り、飛び込みで暖簾をくぐる。アポなしで料理を味わい、本当に「五郎が立ち寄りそうな店」だけを厳選していくのだ。
撮影当日まで、松重豊にはお店の詳細やメニューの味覚が伏せられていることも少なくない。店に入り、壁に貼られたメニューと対峙し、直感で料理を注文する。あの独特の葛藤劇は、役者自身の生の反応を引き出すための演出テクニックなのだ。現場のメイキングスタッフが明かすには、事前に味を知ってしまうと「美味い」というリアクションの鮮度が落ちてしまうのだという。