競馬の常識を覆す砂の絶対法則!ダート勝率を劇的に変える血統戦略
芝とダートの最大の違いは、路面が脚力に与える反発力とエネルギーロスにある。芝コースでは馬の踏み込みに対して地面がしっかりとした反発力を返すため、トップスピードと瞬発力が問われる。対照的に、日本のダートコースは厚さおよそ9センチメートル(日本中央競馬会(JRA)基準)の海砂や砕石砂が敷き詰められており、着地の瞬間に蹄が砂へと深く沈み込む。砂を力強く後方へ蹴り出すパワー、そして沈み込みに耐えうる頑強な骨格と筋力が絶対条件となる。
雨の影響によるタイムの変化も、両者で真逆の挙動を示す。芝コースは雨を含んで水分が多くなると路面が軟弱化し、ノメって走破時計が大幅にかかる「重い馬場」になる。しかしダート競馬では、適度な水分が砂の粒子同士を結びつけ、ビーチの波打ち際のように路面が引き締まる。その結果、脚の沈み込みが減って摩擦抵抗が小さくなり、良馬場よりも圧倒的に速いスピード決着となるのだ。
ただし、泥田のような不良馬場まで悪化すると、跳ね上がる泥(キックバック)が後続馬の視界と呼吸を激しく奪う。先行馬が圧倒的に有利になる一方で、砂を被ることを極端に嫌がる気性の馬は一瞬でレースをやめてしまう。砂の水分含有率ひとつで、レースの展開と有利不利は180度反転する。