東京の空を創った「不動産帝国」の光と影——森ビル・森トラストを分かち、都市を変貌させた血脈の真実
森一族の凄みは、単なる不動産資産の多さだけではない。婚姻関係を通じて張り巡らされた、政財界および学術界に及ぶ華麗なるネットワークにある。
長男・敬の妻である森稔子は慶應義塾大学名誉教授を務め、学術的・文化的気風をファミリーにもたらした。次男・稔の妻である森佳子は、森美術館の理事長として現代アート界に多大な貢献を果たし、世界の主要美術館のボードメンバーを歴任。ヨーロッパの貴族社会や世界の文化人とのパイプを強固なものにした。
さらに、一族の血縁や姻戚関係を辿ると、大手銀行幹部、旧官僚トップ、日本を代表する名門企業家たちの名前がズラリと並ぶ。不動産業という莫大な資金調達と行政との密接な交渉を要するビジネスにおいて、この強固な人脈インフラが強力なバックボーンとなったことは疑いようがない。