『ジャンピング ジャック ボーイ』Wands上杉昇の真意と裏話
フロントマンであったボーカルの上杉昇が紡ぎ出した言葉は、当時のポップス界に溢れていた易しい愛の囁きとは一線を画していた。都市生活の冷徹な孤独や、どこにも行き場のない若い情熱。彼が歌詞に込めた真意は、単なる反抗心ではなく、嘘のない人間らしい生き方への切実な叫びだった。
未公開の制作ノートによれば、レコード会社の意向とアーティスト個人の美学が激しく衝突した記録が残っている。メガヒットを期待する周囲の熱量に対し、上杉は徹底してストリートのリアリティを求めた。タイアップの枠組みを守りつつも、自身の核となるオルタナティヴな感性をいかに滑り込ませるか――。上杉昇が泥臭く葛藤し抜いた末に完成させた歌詞は、だからこそ30年以上を経た今も聴く者の胸を強く穿つ。