上田慎一郎が暴く日本映画の未来!未公開スクープと驚愕の演出法
『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』において特筆すべきは、伝統ある映画会社である松竹とのタッグによって生まれた化学反応だ。メジャー配給のダイナミズムを取り込みながらも、インディーズ時代に培った生々しい人間描写とエッジの効いたユーモアは一切損なわれていない。公務員と詐欺師集団という水と油の組み合わせから、上質なクライムサスペンスを立ち上げてみせた。
緻密な伏線回収と騙し合いの応酬。観客を欺くためだけに仕掛けられたトラップではなく、登場人物たちがそれぞれの人生を懸けて繰り広げる嘘の連鎖が、物語に重厚なリアリティを与える。商業映画の枠組みのなかで作家性を極限まで研ぎ澄ますこのアプローチは、スタジオシステムにおけるひとつの理想形を提示した。