なぜ広陵はプロを量産できるのか?名門の育成哲学と注目株の真実
ファンの脳裏に今も鮮烈に焼き付いているのが、2007年の全国高等学校野球選手権大会だ。エースの野村祐輔と捕手の小林誠司が組んだバッテリーは、卓越した制球力と緻密なリードで決勝まで駆け上がった。あの佐賀北戦での悲劇的な幕切れすらも糧とし、2人は揃ってプロの世界でトップクラスのキャリアを築き上げた。野村は広島東洋カープの先発ローテーションを長年支えて新人王や最多勝に輝き、小林は読売ジャイアンツで侍ジャパンの正捕手として国際舞台でも名を馳せた。
さらに2017年の夏、甲子園の歴史を鮮やかに塗り替えたのが中村奨成だった。大会を通じて放った本塁打は実に6本。清原和博が持っていた1大会個人最多本塁打記録を32年ぶりに更新し、日本中の視線を一身に集めた。ドラフト1位で広島に入団した後は度重なる試練にも直面したが、培った鋭いスイングと高い身体能力で再び定位置争いへと殴り込みをかけている。
泥臭くバットを振り続け、ドラフト下位指名からセ・リーグを代表する首位打者へと上り詰めた佐野恵太の存在も見逃せない。エリート街道を歩む者も、雑草魂で這い上がる者も、根本にあるのは「広陵で鍛え抜かれた」という強烈な自負だ。