堺小春の真価。二世の枠を超えて演劇界を揺らす「女優の覚悟」
彼女の名が広く一般に浸透する大きな転機となったのが、NHKの大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』への出演だった。東洋の魔女と呼ばれた女子バレーボール日本代表の選手役を演じるにあたり、過酷なトレーニングを重ねて役に身体を馴染ませた姿は、制作スタッフを驚嘆させた。
さらに、映画『心の傷を癒すということ』で見せた繊細な感情表現は、彼女が単なる勢いだけの女優ではないことを証明してみせた。悲痛な現実に向き合う人間の揺らぎを、過度な演出に頼らず静かに立ち上らせる芝居の質。NHK作品をはじめとする名作群で残した足跡は、彼女の確かな演技力を物語る決定的な証拠だ。