【2026年・七夕の深層】天の川に架かる「カササギの橋」を知っていますか?織姫と彦星を結ぶ伝承と、夜空に浮かぶ天文学のリアル
古代中国の『淮南子(えなンジ)』や『荊楚歳時記(けいそさいじき)』に記された伝承によれば、7月7日の夜、天の川にはどこからともなく無数のカササギが集まってくるという。彼らは翼と翼を連ねて頭を並べ、岸から岸へと届く一本の橋を架ける。これが「鵲橋(かささぎばし)」だ。
カササギはカラス科の鳥で、白と黒のコントラストが美しい羽と、青く輝く長い尾羽を持つ。知能が非常に高く、鏡に映った自分を認識できる数少ない鳥類としても知られる。なぜカラスではなくカササギだったのか。一説には、吉兆を呼ぶ鳥として東アジア全域で大切にされてきた背景がある。逢瀬を終えたカササギたちは、頭の羽がすっかり抜け落ちてしまうとも伝えられる。命がけでふたりの星を逢わせる健気な姿に、当時の人々は深く胸を打たれたのだろう。