安倍晋三の知られざる若き日々 成蹊大と製鋼所時代に見せた素顔
成蹊大学を卒業後、神戸製鋼所入社までのわずかな合間に経験した米国留学(南カリフォルニア大学など)も、彼の国家観を大きく揺さぶった。ベトナム戦争の傷跡から立ち直りつつあった1970年代後半のアメリカで、多様な価値観と自国への強い誇りを持つ同世代に出会った経験は鮮烈だった。
外務大臣秘書官を経て、1993年の衆議院議員総選挙で自由民主党から初当選を果たした安倍は、若手改革派のホープとして頭角を現していく。彼が掲げた国家観や伝統への思いは、2006年の初入閣・総裁就任時に上梓されたベストセラー『美しい国へ』に結実することになる。
『美しい国へ』に記された日本への誇りと主権意識の源流は、若い頃に体験した米国留学の異文化摩擦と、父に随行して目撃した国際政治の冷徹なパワーゲームの中にあった。