「ちびっこカウボーイ」が今も心を揺さぶる理由と語り継がれる裏話
この曲の魅力を語るうえで欠かせないのが、昭和を代表する異色のクリエイター陣による手腕である。作詞を手掛けたのは、名作『サッちゃん』や『犬のおまわりさん』でも知られる詩人・作家の阪田寛夫だ。彼の綴る言葉は、子どもの視線に寄り添いながらも、どこか詩的な奥行きと躍動感を持ち合わせている。「口笛を吹きながら荒野を行く」というカウボーイの情景を、日本語の美しいリズムへと見事に昇華させた。
一方、楽曲に躍動的な命を吹き込んだのが作曲家の塚原哲夫である。アメリカのウエスタン音楽の要素を取り入れつつ、日本の幼少期の子どもたちが直感的に親しめるメロディラインを構築した。従来の伝統的な日本の童謡とは一線を画す、アメリカン・ルーツ・ミュージックのポップなエッセンス。この絶妙なブレンドこそが、発表から数十年が経過した今も古臭さを感じさせない最大の要因と言えるだろう。