赤ちゃんの大泉門がペコペコ脈打つ謎|閉じる時期と危険サインの見極め方
新生児の頭蓋骨は大人と異なり、1つの硬い球体にはなっていません。複数の骨(前頭骨や頭頂骨など)が組み合わさる途中の段階にあり、骨同士のつなぎ目に隙間が存在します。このうち、額の上部・頭頂付近にある菱形の柔らかい隙間が大泉門です。
大泉門が存在する理由は主に2つあります。1つ目は、出産時に狭い産道を通る際、骨同士を重ね合わせて頭を小さく変形させる「応形機能(分娩時のモデリング)」のためです。2つ目は、生後急速に拡大する赤ちゃんの脳の容積に合わせて柔軟に頭蓋骨を広げるためです。
多くの保護者が目にする「大泉門がペコペコと脈打つ」現象は、骨の隙間を覆う強靭な線維性骨膜を通して脳の動脈の拍動がそのまま表面に伝わっていることによります。血流がスムーズに流れている健康な証拠であり、病的なトラブルではありません。
また、赤ちゃんの頭部には大泉門のほかにも後頭部に「小泉門(しょうせんもん)」と呼ばれる三角形の隙間があります。大泉門と小泉門の違いは、位置や大きさだけでなく閉じるスピードにも現れます。後頭部にある小泉門は生後1〜3ヶ月頃という極めて早い段階で自然に閉じるのに対し、頭頂部の大泉門は脳の成長を支えるため長期間開いたまま維持されます。
「抱っこの拍子に大泉門を触ってしまった」「上の子が手をついてしまった」と青ざめるケースもありますが、大泉門の真下は硬膜や強靭な結合組織でしっかりと保護されています。日常的なスキンケアやシャンプー、軽く指が触れた程度で内部の脳組織にダメージが及ぶことはまずありません。