赤い彗星の仮面を剥ぐ!アムロとの決戦に秘めた真の目的と狂気
地球寒冷化という過激な大義名分の裏側で、シャア・アズナブルは何を求めていたのか。後世の考察において最も議論を呼ぶのは、彼が生涯のライバルであるアムロ・レイに対してサイコフレームの技術を意図的に流出させた事件だ。軍の総帥としての戦略的合理性を真っ向から踏みにじるこの背信行為にこそ、彼の剥き出しの自我が凝縮されている。
対等な条件でアムロに勝ちたいという子供じみたエゴイズムなのか、それとも自らを討ち倒してくれる唯一の理解者を求めた破滅願望なのか。ララァ・スンという絶対的な母性を喪失したことによる精神的欠落は、彼を常に「救済者」と「傷ついた少年」の間で引き裂いてきた。全人類の革新を唱えながら、最期の瞬間に漏らした言葉が極めて私的な未練であった事実は、彼が神ではなく、あまりに人間臭い悲劇の怪物であったことを証明している。