地球を揺るがしたタンボラ山の大噴火。現代に潜む再来のリスクとは
大噴火が起きた当時、ジャワ島を英国の統治下に置いていた副総督トーマス・ラッフルズは、異様な地鳴りと爆発音を記録している。当初、数千キロ離れた拠点で聞こえた落雷のような轟音を、ラッフルズは遠方の砲撃音と勘違いしたという。しかし、次々と届く空前絶後の降灰と津波の報せが、事態の異常さを物語っていた。
トーマス・ラッフルズが克明に書き残した現地調査の報告書は、近代的な火山観測が存在しなかった時代における貴重な一次史料だ。爆発の猛威によってタンボラ山の山頂は無残に崩落し、深さ1,000メートルに達する巨大なカルデラが形成された。巨大な爆発音と圧倒的な破壊の光景は、当時の人々に世界の終わりを予感させるのに十分だった。