「恩赦はいらない」批判が噴出する理由とは?被害者感情と制度の限界
改元のタイミングなどで恩赦の実施が報じられるたび、国民世論からは激しい批判が噴出します。その筆頭に挙げられるのが被害者感情の軽視です。被害者やその遺族は、愛する人を傷つけられた苦しみと戦い、長い裁判を経てようやく下された判決を一つの区切りとして受け止めます。それにもかかわらず、国家の慶事を理由に加害者のペナルティが軽減されることは、被害者の尊厳を踏みにじる行為に等しいと映るのです。
さらに、封建時代の「お上の慈悲」に起源を持つ制度そのものが時代遅れな特権的行事として批判されています。法治主義が確立した現代において、行政権が司法判断に介入して刑を免除する構図は、一般市民の法感情から著しく乖離しています。「真面目に法律を守って生きている国民が馬鹿を見る」という不公平感こそが、廃止論を強く後押しする最大の原動力となっています。