耳の穴ニキビはなぜ痛い?放置するリスクと専門医が教える治し方
鏡で見えにくい耳の穴の中を、指先やピンセットで無理やり押し潰そうとする行為は最も危険なNGアプローチだ。皮膚科領域の専門家である皮膚科専門医や、耳の構造を熟知した耳鼻咽喉科医は一様に「患部を触らないこと」を強く警告している。耳の穴は視界が遮られているため、無理に圧迫を加えると、破裂した膿や細菌が外に排出されるのではなく、皮膚の奥深くにある耳軟骨の方向へと押し込まれてしまうからだ。
潰された組織の深部で細菌が増殖すると、耳軟骨膜炎という極めて難治性の高い感染症を引き起こす危険性がある。軟骨膜が破壊されると、耳介の変形や不可逆的な構造変化を生じさせるリスクさえ及ぶ。さらに、爪の間に潜む黄色ブドウ球菌などが傷口から侵入すれば、重篤な蜂巣織炎を併発するおそれもある。耳の中の不快感を解消しようとした一瞬の誤った行動が、長期治療を余儀なくされる大きな代償へとつながるのだ。