飛田新地の現在はどう変わった?コロナ禍を越えた色街の今と掟
ノンフィクション作家の井上理津子による名著『さいごの色街 飛田』は、謎のベールに包まれていたこの街の構造と、そこで生きる女性たちの息遣いを克明に描き出した。彼女が記録した「変わらない掟」と「生き抜くための柔軟さ」は、今回の危機においても如実に発揮されたと言える。
街が幾度もの社会変動を乗り越えてこられたのは、大正時代から続く建築様式や情緒だけが理由ではない。外の世界の規範と衝突しながらも、内部で強固なコミュニティと互助精神を築いてきたからだ。大阪市西成区という複雑な文脈を持つ土地で、外部からの好奇の目に晒されつつも自律的な規範を守り抜く姿勢は、パンデミックを経てなお色褪せていない。