合意があっても逮捕される?淫らな行為の法的定義と処罰の境界
処罰の対象となる境界線を理解する上で、まず区別しなければならないのが「刑法」と各都道府県が定める「青少年保護育成条例」の二重構造だ。多くの市民が抱く最大の誤解は、「金銭の授受がない純粋な交際であれば罪に問われない」という思い込みにある。
青少年保護育成条例における「淫行(いんこう)」は、青少年の健全な心身の成長を阻害する性交または性交類似行為と規定されている。ここで重視されるのは、相手が18歳未満である事実と、行為の内容そのものだ。たとえ威迫や脅迫、欺罔(だまし)がなく、完全な合意に基づく関係に見えたとしても、年齢差や社会的立場、精神的な未成熟さを利用した関係であると判断されれば、条例違反として摘発される。対価を支払ういわゆる「買春」でなくとも処罰対象となる点は、条例が持つ極めて強力な規制力の一端を示している。
一方、刑法における性犯罪規定は、個人の性的自己決定権の侵害を中核に据えている。自己の意思で性的な決定を行う能力が十分に備わっていない未成年者を保護するため、年齢による絶対的な保護基準(性交同意年齢)が引き上げられた経緯もあり、条例と刑法が重なり合う領域での摘発リスクはかつてないほど高まっている。