ヒース・レジャー急逝の真相と闇 伝説のジョーカーが遺した謎
オーストラリアから渡米したヒースは、甘いマスクのアイドル俳優として消費されることを頑なに拒み続けた。その決意を証明したのが、寡黙な羊飼いの同性愛を描いた『ブロークバック・マウンテン』だ。胸を締め付けるような切なさを抑制の効いた演技で体現し、わずか26歳にして世界的な称賛を浴びる。
そして遺作となったのが、テリー・ギリアム監督のファンタジー大作『Dr.パルナサスの鏡』だった。撮影途中で主役を失った現場を救ったのは、ジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルの3人だ。ヒースの友人でもあった彼らは鏡の世界を行き来する変身後の姿として代役を務め、受け取った出演料のすべてをヒースの幼い愛娘マチルダの養育信託基金へと寄付した。映画界の深い絆が生んだ奇跡的な完成劇である。