皇位継承を揺るがす男系男子の壁:皇族数確保へ迫られる決断の時
明治期に制定され、戦後に改定された皇室典範第1条は「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と厳格に規定する。だが、日本国憲法・憲政史を紐解けば、古代から中世にかけて推古天皇をはじめとする女性天皇が複数存在した事実は揺るがない。明治近代国家がプロイセン憲法などを参考に構築した「男系男子限定」という近代の規範を、不変の伝統と同一視すべきか否かという歴史認識の対立は今も続く。
主権在民を掲げる現行憲法下において、象徴天皇制の存続根拠は「主権の存する日本国民の総意」に求められる。国民主権と伝統的権威の均衡をどこに見出すのかという問いは、法文の解釈論にとどまらず、国家のアイデンティティそのものを問う重い課題である。