白鶴まるCmの名優・矢崎滋の現在とは?都はるみと選んだ晩年
名優が選んだ終の棲家は、豪華な豪邸でも都心の高級マンションでもなかった。福島県郡山市にあるビジネスホテルの一室。スーツケース数個に収まるだけの荷物とともに、気ままなホテル暮らしを続けているという事実が報じられたとき、世間には少なからぬ衝撃が走った。
持ち家を持たず、家具も持たない。掃除やベッドメイクはホテルに任せ、朝になればふらりと近所を散歩し、地元の馴染みの店で質素な食事を楽しむ。かつて白鶴酒造のロングセラーCMで日本中の食卓を明るく照らした男は、余計な執着を削ぎ落としたミニマリズムの境地にいた。金銭や名誉への執着を手放し、一人の市井の人として呼吸する毎日。その佇まいには、世俗の評価から完全に解き放たれた者だけが持つ、独特の清々しさが漂っている。