かぐや姫の物語で帝のあごはなぜ伸びた?高畑勲が仕掛けた作画の謎
本作は、一見するとクラシカルな時代劇ファンタジーの枠組みを取りながら、その内実において権威主義への痛烈な批判を内包している。古来の伝承を現代的な人間ドラマへと昇華させた手腕は、まさに高畑勲の真骨頂だ。
都の貴族たちが提示する宝物はすべて偽物であり、言葉飾りに過ぎない。そしてその頂点に立つ帝すらも、自身のあごの長さを自覚することなく自信満々に姫を口説く。この滑稽な構図は、貴族社会の虚飾と空虚さを暴き立てる演出機能として完璧に作動している。