空はなぜ青い?昼と夕方で色が変わる科学的理由と散乱の仕組みを徹底解説
光が大気中の分子によって散乱される現象は、19世紀のイギリスの物理学者ジョン・ウィリアム・ストラット(第3代レイリー男爵)によって解明され、その名にちなんで「レイリー散乱」と呼ばれています。
レイリー散乱の最大の特徴は、「散乱する光の強さは、波長の4乗に反比例する」という物理法則にあります。つまり、波長が短い光ほど圧倒的に強く散乱される仕組みです。
波長が約400ナノメートルの青い光は、波長が約700ナノメートルの赤い光に比べて、約5倍から6倍も強く散乱されます。太陽光が大気圏に入ると、波長の長い赤や黄色の光は分子の間をすり抜けてまっすぐ地上へ向かいますが、波長の短い青い光は大気中のあちこちで激しく散乱し、空全体へと拡散します。地上にいる私たちがどの方向を見上げても散乱された青い光が目に入ってくるため、空一面が青く見えるのです。
ここで一つの疑問が生じます。スペクトル上、最も波長が短いのは「青」ではなく「紫」です。計算上は紫の光のほうがさらに強く散乱されるはずですが、なぜ空は紫色に見えないのでしょうか。
理由は主に2つあります。1つ目は、太陽光に含まれる光の強さ(放射強度)が紫色よりも青色のほうが圧倒的に強いこと。2つ目は、人間の眼の網膜にある色覚センサー(錐体細胞)が、紫色の光よりも青色の光に対してはるかに敏感に反応する構造になっているためです。これらの物理的・生理的要因が重なり、人間の眼には「青い空」として知覚されます。