量子論の闇を照らした天才・朝永振一郎の知られざる素顔と真実
終戦後、朝永の研究成果が海を渡った瞬間、世界の物理学界に激震が走った。アメリカでは若き俊英ジュリアン・シュウィンガーとリチャード・ファインマンが、独立に同様の難問へ挑んでいた。だが、1948年に朝永がロバート・オッペンハイマー宛てに送った一通の手紙によって、日本で先んじて完璧な解法「超多時間理論」が完成していた事実が明るみに出る。
ファインマンは後に、朝永の論文を読んだときの衝撃を回想し、その明快さに深い敬意を表明している。3人のアプローチは計算手法こそ異なっていたが、到達した真理は同一だった。この日米の天才たちによる同時多発的なブレイクスルーは、量子電磁力学(QED)プロジェクトの完成という形で結実し、素粒子物理学の標準模型への扉を開いた。