米油は本当に危険なのか?製造工程の落とし穴と安全な選び方を暴く
米油の危険性を主張する言説の根拠として最も多く挙げられるのが、製造時に使われる抽出溶剤「ノルマルヘキサン」の存在だ。石油系炭化水素であるこの有機溶剤は、米ぬかのように油分が15〜20%程度と極めて低い原料から効率よく油を搾り取るために使われる。当然ながら「石油由来の薬品で油を溶かしている」という事実は、自然派を志向する生活者にとって強い心理的抵抗感を生む。
だが、化学的な事実に目を向けなければならない。ノルマルヘキサンの沸点は約69度と非常に低い。油脂製造業の現場では、油を抽出した後に減圧蒸留を行い、100度以上の高温で完全に気化させて回収する工程が徹底されている。
内閣府食品安全委員会および厚生労働省が定める食品衛生法の規格基準において、最終製品にノルマルヘキサンが残留することは一切認められていない。最新のガスクロマトグラフィーによる精密分析でも検出限界以下、すなわち「ゼロ」であることが証明されている。溶剤を使うという製造工程そのものへの嫌悪感と、完成した油を摂取する安全性は明確に切り離して評価されるべきだ。