皿から溢れる黒い衝撃!絶望のパスタが人々を虜にする本当の理由
発祥の震源地は、1986年創業の老舗「ホームズパスタ」だ。皿からスープをわざと溢れさせる豪快な盛り付けと、一口で脳を直撃する濃厚な旨味。この唯一無二のスタイルが、瞬く間に東京のパスタシーンを塗り替えた。
「絶望」という奇妙なネーミングには諸説ある。具材を細かく刻んで真っ黒になるまで炒める仕込みの手間から厨房が「絶望」したという説。あるいは、どれだけ困窮して「絶望」の淵にいても、パントリーに残ったありあわせの食材(オリーブやキノコ、唐辛子)で作れて元気が湧くという説。さらには、飛び散るソースで白い服が絶望的な状態になるからという客側のリアルな悲鳴まで、都市伝説のように語り継がれてきた。
ホームズパスタの厨房で守られてきた門外不出の核は、キノコとオリーブのペーストをトマトソースと生クリームで乳化させる絶妙なバランスにある。濃厚でありながら重すぎず、唐辛子の鋭い刺激が脂っこさを一瞬でリセットする。中毒性の正体は、この計算し尽くされた味のコントラストだ。