模試の数字に騙されるな!平均と偏差値のカラクリと学力の真実
同じ受験生が同じ週に受けた模試であっても、結果の数字はまるで別人のようになる。全国の高校生が幅広く受けるベネッセコーポレーションの進研模試で偏差値65を出した生徒が、難関大志望者がひしめく駿台予備学校の駿台全国模試に挑むと、偏差値50を割り込むケースは珍しくない。
河合塾の全統模試はその中間に位置し、最も標準的な母集団を形成すると言われるが、それでも学校推薦型や総合型選抜で早期に進路を決めた層が抜ける秋以降、母集団の学力水準は一気に跳ね上がる。母集団の「質」と「分母」が違えば、偏差値50の意味は根本から異なるのだ。
多くの受験生や保護者が陥るのが、「偏差値が下がった」と嘆く比較の罠である。受けている集団の学力レベルが上がっただけであれば、個人の実力そのものはむしろ向上している可能性すらある。母集団を無視した偏差値の推移は、風向きを無視して船の速度を測るようなものだ。