世紀の婚約破棄から現在へ、二人が飲み込んだ沈黙と激動の全貌
1992年11月27日、ホテルで行われた婚約発表会見は、テレビ各局が生中継で報じるほどの過熱ぶりだった。当時、若貴ブームの主役として角界の頂点へと駆け上がっていた貴花田(のちの貴乃花光司)と、トップアイドル・女優として社会現象を巻き起こしていた宮沢りえ。二人が並び、はにかみながら見つめ合う姿は、誰もが疑わない「世紀のカップル」の誕生そのものだった。
しかし、スポットライトの眩しさとは裏腹に、水面下ではすでに崩壊の足音が響いていた。会見からわずか66日後、1993年1月27日。単独で会見場に現れた青年力士の口から発せられたのは、破局の報告だった。「愛情がなくなった」というあまりに淡白で一方的な言葉。日本中が言葉を失い、ワイドショーは連日連夜、犯人捜しに躍起になった。しかし、その短いフレーズの裏には、20歳の若者が泥をすべて被ることで相手を守ろうとした、究極の覚悟が隠されていた。