ナウシカ声優の現在と抜擢秘話!宮崎駿監督が託した魂の選考真相
ナウシカの声を担当した島本須美の起用は、偶然の産物ではない。宮崎駿監督との出会いは、1979年公開の映画『ルパン三世 カリオストロの城』にまで遡る。当時、可憐で芯の強いヒロイン・クラリス役を演じた島本の発声と表現力に、宮崎監督は強い感銘を受けていた。
しかし、商業映画としての『風の谷のナウシカ』では厳正なオーディションが敢行された。数多くの実力派声優が集まるなか、島本がマイクの前で第一声を発した瞬間、制作陣の空気は一変したという。怒り、慈愛、狂気、そしてすべてを包み込む包容力。単なる少女の枠に収まらない多面的なヒロイン像を、島本は見事に体現してみせた。
宮崎監督が求めたのは、単に綺麗なアニメ声ではなく、大地に根ざした一人の人間としての叫びだった。王蟲の幼生を身を挺して守る場面での絶叫や、酸の海に入ろうとする幼生を押し留める緊迫した演技は、テストなしの一発録りに近い状態で収録されたという。島本の喉が張り裂けんばかりの熱演が、キャラクターへ永遠の命を吹き込んだ瞬間だった。