「おっぱい」の語源は女房言葉?古文書が暴く意外すぎる言葉の歴史
文献上で「おっぱい」という文字がいつ頃から現れるのか。その確かな足跡を追う上で欠かせないのが、日本が誇る最大の辞書編纂プロジェクトである『日本国語大辞典』の記録だ。
知識探索ネットワークのジャパンナレッジなどを通じて古文献を横断検索すると、江戸時代後期の川柳や洒落本、黄表紙の中にその萌芽が見て取れる。江戸中期の文献には「おちち」「ちち」の記載が圧倒的に多いものの、寛政から文化・文政期(18世紀末〜19世紀初頭)にかけて、江戸の町人文化の爛熟とともに庶民の口語として「おっぱい」や「パイパイ」が印刷物に刻まれ始めている。
当時、言語学・学術出版業界の専門家たちが指摘するように、文字として記録されるのは大衆の間で十分に口頭定着した後のことだ。つまり、文献に現れる数十年、あるいは百年以上前から、子守唄や路地裏の授乳風景の中で密やかに語り継がれていたことは想像に難くない。