プロセスチーズとは?ナチュラルチーズとの違いや製法の秘密を徹底解説
プロセスチーズが工場でどのように作られているのか、その製造工程を紐解くと、緻密に計算された食品工学の技術が見えてきます。
一般的な製造の流れは以下の通りです。
1. 原料選定・配合:世界各国から調達したゴーダ、チェダーなどをブレンド。
2. 粉砕・混合:巨大なカッターでチーズを細かく砕き、均一に混ぜ合わせる。
3. 加熱溶融・乳化:クッカーに投入し、蒸気で熱しながら「乳化剤」を加えて撹拌する。
4. 成型・充填・冷却:高温で液状になったチーズを型に流し込むかフィルムで包み、急速冷却して固める。
5. 包装・検査:金属探知機や異物混入検査を経て出荷。
ここで重要な役割を果たすのが「乳化剤」です。ナチュラルチーズを単に熱で溶かすと、タンパク質から脂肪分と水分が分離してしまい、冷えてもボソボソの油っぽい塊になってしまいます。乳化剤(クエン酸ナトリウムやポリリン酸ナトリウムなど)を加えることで、熱によってほどけたタンパク質の網目構造を再構築し、脂肪と水分を均一に抱え込ませる「乳化」が可能になります。
市販の「とろけるスライスチーズ」は、この乳化剤の配合比率や加熱温度を緻密に調整することで、パンに乗せてトースターで焼いた際に、網目構造がほどけて滑らかに伸びるよう設計されています。一方で、そのまま食べるタイプの6Pチーズは保形性を高めて成型されています。形状や用途に応じた物性のコントロールこそが、プロセスチーズの真骨頂です。