千と千尋の神隠しの油屋モデル旅館は実在する?泊まれる聖地を徹底比較

千と千尋の神隠しの油屋モデル旅館は実在する?泊まれる聖地を徹底比較

千と千尋の神隠しの油屋モデル旅館は実在する?泊まれる聖地を徹底比較とはどのようなものなのか? 専門的な分析を丁寧に紐解いて紹介します。

スタジオジブリの制作裏話において、宮崎駿監督が油屋のメイン外観の着想源として直接言及したことで名高いのが、愛媛県松山市に鎮座する道後温泉本館です。約3000年の歴史を持つ日本最古の名湯のシンボルであり、明治27年(1894年)に建てられた三層楼の木造建築は、国の重要文化財に指定されています。

道後温泉本館の複雑怪奇に入り組んだ屋根構造、最上層で赤いギヤマンガラスが妖艶に輝く「振鷺閣(しんろかく)」、そして建物全体から放たれる堂々たる風格は、油屋の重厚なシルエットのベースとなりました。日本で唯一の皇族専用浴室「又新殿(ゆうしんでん)」を備えるなど、格式の高さと大衆浴場の混沌としたエネルギーが共存する空気感は、映画の根底に流れる湯屋文化そのものです。

長年にわたる保存修理工事を経て、壮麗な姿を完全に甦らせた本館は、日帰り入浴施設として営業しています。宿泊は周辺の温泉街にある旅館やホテルを利用する形になりますが、湯上がりに浴衣姿で夜の道後温泉本館を見上げるひとときは、千尋が体験した不思議な夜の始まりをリアルに追体験させてくれます。

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山口 彩花

山口 彩花

写真家・フォトエディター

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。