蜷川幸雄が没後10年に遺したもの——小栗旬が継承する「魂の演技」と劇場の未来【2026年特別寄稿】
2016年の蜷川幸雄の急逝から10年が経過した2026年、小栗旬の立ち位置は大きく変わった。一人の俳優として第一線で活躍し続けるだけでなく、所属プロダクションの社長に就任。日本のエンターテインメント業界全体の環境改善や、後進の育成に自ら乗り出している。
現在、小栗が若手俳優たちに向き合う姿勢には、随所に蜷川の影が見え隠れする。理不尽な威圧ではなく、表現に対して妥協を許さない真摯な眼差し、そして「作品に対する命懸けの情熱」を伝える姿勢だ。「蜷川さんだったら今の俺たちをどう叱るだろうか」。小栗自身が折に触れて口にするその問いは、業界のトップに立った今もなお、彼を突き動かす原動力となっている。