さわらの西京焼きを焦がさずふっくら!料亭直伝の黄金比と焼き方
焼き上がりの完成度を決定づけるもう一つの決定的なプロセスが、徹底した生臭みの除去である。どれほど質の高い味噌床を用意しても、魚自体に臭みが残っていては台無しだ。プロの現場で行われている「振り塩」と「酒洗い」の二段階アプローチこそが、その真価を発揮する。
切り身の両面に薄く塩を振り、バットを傾けて15〜20分ほど置く。すると、浸透圧の作用によって魚内部の余分な水分とともにドリップ(臭みの原因物質)が表面に浮き出てくる。これを氷水や清酒でサッと洗い流し、清潔なペーパータオルで一切の水分を残さず丁寧に拭き取ることが不可欠だ。この一連の手間をかけるだけで、魚独特の生臭さは完全に消え去り、味噌の芳しい香りだけが極上の身にしっかりと染み込むことになる。