世界の王貞治が語る868本の真実と侍ジャパンを導いた勝負哲学
2006年に開催された第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)において、日本代表の初代監督に就任した王の決断は、日本球界の命運を大きく変えた。メジャーリーガーが本気で挑む国際大会の創設期、手探りのチーム編成と過酷なレギュレーションの中で、王は常に「日本の野球は世界に通用する」と選手たちを鼓舞し続けた。
アメリカでの誤審騒動や予選リーグでの手痛い敗戦など、幾度となく絶望的な窮地に立たされながらも、王の姿勢は微動だにしなかった。ベンチで誰よりも前を見据え、毅然と戦況を見守る指揮官の背中が、イチローをはじめとするトッププロたちに火をつけた。王が掲げた「侍ジャパンの誇り」と緻密な知略は決勝戦のキューバ戦で見事に結実し、世界一のトロフィーを日本にもたらしたのである。