室町唯一の茶園を守る堀井七名園、極上抹茶の秘密と歴史の真価

室町唯一の茶園を守る堀井七名園、極上抹茶の秘密と歴史の真価

室町唯一の茶園を守る堀井七名園、極上抹茶の秘密と歴史の真価にまつわる役立つ知識を分かりやすく発信ます。

宇治抹茶の真髄は、春の新芽が芽吹く頃に施される「覆い」にある。現代の主流が黒い化学繊維シートで畑を覆う簡易的な遮光であるのに対し、この地では伝統的な「本簀覆下栽培技術(ほんずおおいしたさいばいぎじゅつ)」が頑なに守られている。葦(よし)で編んだ簀(す)を茶棚の上に広げ、その上に稲藁を丁寧に手作業で敷き詰めていく気の遠くなるような作業だ。

降り注ぐ日光を段階的に98%以上遮断された茶樹は、光を求めて葉緑素を極限まで増やし、深く鮮やかな濃緑色へと変化する。同時に、根から吸い上げた旨み成分であるテアニンが渋み成分のカテキンへと変化するのを防ぎ、アミノ酸の結晶のような濃厚な甘みとコクが茶葉の中に凝縮される。手間を惜しまず、自然素材の隙間から漏れるわずかな散乱光と藁の香りを吸い込んだ新芽だけが、類まれな芳醇さとシルクのような舌触りを生み出す。

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小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

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