太陽の塔に眠る未公開構想の衝撃!岡本太郎が放つ破壊と再生の叫び
『太陽の塔』と対をなす太郎の最高傑作が、縦5.5メートル、横30メートルに及ぶ巨大壁画『明日の神話』だ。メキシコで制作されたのち半世紀近く行方不明となり、2000年代初頭に奇跡的に発見・修復されたこのドラマチックな大作には、被爆の瞬間という重厚なテーマが宿る。
画面中央で炎に包まれて骸骨となった人間、第五福竜丸を想起させる船、逃げ惑う人々の叫び。しかし、この作品の前に立つ者が圧倒されるのは、絶望ではなく異様なまでの生の力強さだ。太郎は核の惨劇という人類の愚行を描きながら、同時にそこから立ち上がる不屈の生命力を画面全体に満たした。惨劇を乗り越え、誇り高く明日を生きるための神話。単なる反戦・反核のプロパガンダを超えた、人間の尊厳への祈りそのものがそこにある。
渋谷駅連絡通路という、1日数十万人が行き交う日常の結節点にこの壁画が恒久設置されている意義は計り知れない。美術館という特権的な箱から解き放たれ、無数の人々の雑踏とともに呼吸するパブリックアート。それは、芸術を生活の真っただ中に取り戻そうとした太郎の執念の結実である。