外交官の年収は本当に高いのか?在外手当とキャリア格差の真相
外交官の報酬が跳ね上がる最大の分岐点は、世界各地の在外公館(大使館・総領事館・政府代表部)への赴任だ。海外勤務になると、基本給に加えて非課税の在外手当(在勤基本手当)が毎月支給される。この手当の額は、赴任国の物価水準、為替レート、生活環境の厳しさに応じて国ごとに細かく定められている。
ニューヨークやロンドン、ジュネーブといった超高物価都市では月額手当が数十万円から百万円近くに達することもある。さらに、紛争地や治安が著しく不安定な地域に赴任する場合は「危険地手当」や「高地に特有の手当」などが上乗せされる。手当の多くが非課税扱いとなるため、手取り額は実質的に本省勤務時の1.5倍から2.5倍に膨れ上がる計算だ。
30代で途上国や欧米主要都市に赴任すれば、手当込みの実質年収は1,200万〜1,800万円クラスに達する。40代で参事官や公使クラスになれば、年収2,000万円超えも珍しくない。生涯年収を独自試算すると、本省勤務と海外赴任を交互に繰り返すキャリア組の場合、生涯手取り総額で3億5,000万円から4億円超に達するケースが一般的だ。生涯年収ベースで見れば、民間トップ企業に匹敵する水準を叩き出すのは紛れもない事実である。