香川照之と市川猿之助は腹違いか?澤瀉屋の血脈と梨園のタブー
確執の影を抱えながらも、ふたりは盟友として芸能界を席巻した。テレビドラマ『半沢直樹』で見せた香川の怪演は大ブームを巻き起こし、後に猿之助も同シリーズに出演して「詫びろ詫びろ」の台詞で日本中を沸かせた。ふたりの凄まじい演技合戦は、澤瀉屋の血が持つ爆発的なエネルギーを世に見せつけるものだった。
さらに歌舞伎界においては、猿之助が主導した『スーパー歌舞伎II ワンピース』が大ヒットを記録。古典の枠組みを粉砕し、現代劇の手法とエンターテインメント性を融合させたこの舞台は、歌舞伎に興味のなかった若い観客層を熱狂させた。香川もまた、中車として舞台に立ち、従兄弟の革新的な試みを全力で支えた。
テレビと舞台、大衆文化と伝統芸能の架け橋となったふたりは、まさに時代の寵児だった。だが、頂点を極めた者特有の過信と孤独、そして背負いすぎたプレッシャーが、やがてふたりを暗転劇へと引きずり込んでいく。