信州伊那谷の小正月を彩るまゆ玉の秘密!祈りの伝統と限定銘菓
なぜ伊那谷でこれほどまでに繭にまつわる信仰や行事が発展したのだろうか。その答えを探るには、江戸時代の高遠藩主であった保科正之の時代にまで遡る必要がある。名君として知られる保科正之は、民政を重視し、地域の産業振興の基盤を築いた。彼の治世から発展を遂げた信州の製糸・養蚕産業は、近代日本の輸出を支える重要産業へと開花していく。
こうした産業の発展に伴い、農民たちの間には強い繭神信仰が根付いた。生糸の出来不出来が死活問題であった時代、人々は神社に足を運び、神棚にまゆ玉を飾って豊作を祈った。伝統工芸としての繊細な技術や、絹糸への深い敬意は、こうした歴史的背景の中で洗練されていったのである。