薬物事件で懲役実刑を回避する条件とは?初犯の量刑と司法の裏側
世界的な大ヒットドラマ『ブレイキング・バッド』や、Netflixで配信されている『ドラッグ・ビジネスの裏側』などのクライムドキュメンタリーを観ると、巨大な薬物カルテルや闇の供給網は遠い異国のフィクションに思えるかもしれない。しかし、近年の日本国内における密売構造もまた、かつての暴力団中心の対面取引から、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)やSNSを介したデジタル密売へと急速に変貌を遂げている。
厚生労働省麻薬取締部(通称マトリ)や警察庁のサイバーパトロール部隊は、ダークウェブや暗号化メッセージアプリを駆使する供給網に対して徹底的な包囲網を敷いている。「一度きりの興味本位」「売人とは直接会っていない」という言い訳は、押収されたスマートフォンのフォレンジック解析によって瞬時に打ち砕かれる。
密売ビジネスに関与したとみなされれば、営利目的所持や譲受の罪が適用され、初犯であっても執行猶予なしの実刑判決が下されるリスクは跳ね上がる。海外ドラマのような派手な銃撃戦こそないものの、デジタル証拠によって淡々と包囲され、刑務所の分厚い扉の向こうへ送られるのが現代日本の密売犯罪の実態だ。