伝説の歌姫ちあきなおみ、役者としても圧倒的だった異彩の真実
1970年代、TBSテレビが制作しお茶の間を席巻した伝説のテレビドラマ『寺内貫太郎一家』。脚本家・向田邦子が描く濃厚な人間模様の中で、彼女が演じたお手伝い・美代子の存在感は異彩を放っていた。喜劇と悲劇が表裏一体となったストーリー展開において、不気味さと愛おしさを混ざり合わせた絶妙な間合い。言葉少なに佇むだけで、茶の間の雰囲気が一瞬にして緊張感に包まれた。
笑い溢れるファミリードラマの裏側で、ふとした瞬間に魅せる影のある表情。テレビドラマの枠を超えたそのリアリティは、演出家や共演者たちを驚嘆させた。歌手が片手間に演じる演技とは根本的にレベルが違っていたのだ。