伝説の記者・兼高かおるの足跡と『世界の旅』が遺した不滅の記録
兼高が世界各地で収集した膨大な民芸品、民族衣装、貴重な工芸品は、かつて兵庫県淡路島の「兼高かおる旅の資料館」に集約され、多くの人々に世界の多様性を伝えてきた。施設自体が役割を終えたあとも、その貴重なコレクションは散逸することなく大切に保管・継承されている。
収集された品々は、高価な骨董品ばかりではない。市井の人々が日常で使う素朴な木彫りや織物、祭礼具など、名もなき生活者の温もりが宿る品々が中心を占める。そこに並ぶ一つひとつの品が、彼女が現地の人々と心を通わせた確かな証拠である。
モノを通して異文化の息吹に触れる体験は、デジタル全盛の時代にあっても失われない手触りのある記憶として、触れた者の心に深く残り続けている。