伝説の女優・小森愛が刻んだ過激な爪痕と今再燃するカルトの美学
彼女のキャリアを語る上で欠かせないのが、「ピンク四天王」の筆頭として知られる鬼才・佐藤寿保との邂逅である。二人のコラボレーションは、日本映画界のタブーを次々と打ち砕く劇薬となった。その決定打となった作品が、1988年公開の『変態解剖』だ。
都市の病理、肉体の解体、そして偏執的な欲望を冷徹なキャメラワークで抉り出した同作において、彼女が見せた演技は圧巻の一言に尽きる。佐藤監督が仕掛ける過激なシチュエーションの中で、受動的な被害者に甘んじることなく、むしろ狂気の世界を侵食していくかのような迫真の表現力を見せつけた。この作品によって、彼女の名は単なる成人映画の枠を越え、日本のアングラ映画史に決定的な楔を打ち込むこととなった。