伝統を覆す女性落語家たち!真打が拓く寄席の新時代と圧巻話芸
落語の歴史は、長らく女性の参入を拒み続けてきた。「女性の声では長屋の粗忽者が成立しない」「色気が邪魔をして噺の世界が崩れる」——まことしやかに語られてきた数々の口実は、単なる慣習による先入観に過ぎなかった。その分厚い岩盤に最初の風穴を開けたのが、1974年に二代目露の五郎(後の二代目露の五郎兵衛)に入門した露の都である。公益社団法人上方落語協会のなかで数々の偏見や前例主義と戦い抜き、女性初の落語家として道を切り拓いた彼女の歩みは、後進にとって決定的な道標となった。
東京の落語界においても、血のにじむような突破劇が繰り広げられた。1993年、一般社団法人落語協会において三遊亭歌る多が女性として初めて最高位である「真打」へと昇進を果たす。男性社会の不文律が色濃く残る楽屋で、技術と気骨をもって自らの居場所をもぎ取った先人たちの執念。彼女たちが敷いたレールがあったからこそ、現在の隆盛があることは疑いようがない。