長崎名物ハトシとは?サクサク海老すり身パンの歴史と最新名店
ハトシのルーツを辿ると、19世紀末の清代中国に行き着く。中国語で「蝦(ハー)」は海老、「多士(トーシ)」はトーストを意味し、これらを合わせた「蝦多士(ハトシ)」がそのまま料理名となった。明治時代、出島や唐人屋敷を通じて海外文化を柔軟に取り込んできた長崎県に伝わり、独自の進化を遂げたのが始まりだ。
当時、長崎で発展していたのが、和・洋・中の要素が融合した豪華な宴席料理である卓袱料理だった。本来は高級料亭のコース一品として振る舞われていた高級料理であり、幕末の志士である坂本龍馬も長崎の夜宴でこうした異国情緒あふれる宴席料理に舌鼓を打ったと伝えられる。長崎新地中華街を中心とする料理人たちの手によって、伝統的な和華蘭文化の象徴たる郷土料理へと昇華していったのだ。