昭和の親衛隊が遺した狂気と美学!推し活の原点を独自取材で暴く
1980年代に入ると、アイドルシーンは黄金期を迎える。『ザ・ベストテン』や『夜のヒットスタジオ』といった伝説的生放送番組のスタジオは、彼らの主戦場だった。
松田聖子の登場によって親衛隊文化は一つの頂点に達する。彼女の可憐な歌声をかき消さんばかりに響く「レッツゴー! セーコー!」「L・O・V・E・セ・イ・コ!」というコールは、綿密に計算されたリズムとタイミングで放たれていた。新曲がリリースされれば、幹部陣が即座にレコードを聴き込み、譜割りに合わせた新たなコールを考案。全国の支部にカセットテープや手書きのコール表が配られ、徹夜で練習が重ねられた。
一方で、中森明菜のような影のある歌姫が登場すると、応援スタイルにも変化が生まれた。楽曲の世界観を壊さないよう、静寂を守るべきパートでは息を潜め、サビで一気に感情を爆発させる。ステージと客席の呼吸を合わせ、アイドルと一体になって楽曲を完成させる――。コールは単なる歓声ではなく、彼らが楽曲に刻み込んだ魂のコーラスだった。