志村けんが愛した名機「だいじょうぶ だ 太鼓」誕生秘話と音色の真相
志村氏のコメディにおける真骨頂は、音楽的なリズム感にあった。ソウルミュージックやファンクを深く愛した志村氏は、コントにおける「音の間」を極めて緻密に計算していたという。盟友である加藤茶氏をはじめとする共演者との掛け合いにおいて、太鼓の音が打撃音以上の役割を果たしていた。
「トントン」という高めの打音と「ウェッ、ウェッ」という声の重なり。この音域は、当時のブラウン管テレビのスピーカーを通して最も聞き取りやすい周波数帯に調整されていた。計算し尽くされた音の波長が、テレビ画面を超えて視聴者の身体感覚に直接訴えかけていたのである。